<SQAトレーニングの目的>
SQAのトレーニングの目的の多くの部分は、少し前の幼少期にあります。幼少期の「遊び」の中で、自然と培われた物です。例えば鬼ごっこ。小川での魚とり、森山での昆虫採集などで、野山を駆けめぐっていれば、石ころはあるし、アップダウンもあるし、自然と身体のバランスが取れ、動きの切り替えもできるようになります。
現代では、都市化によって自然に培う環境が無くなったり、TVゲームで遊んだり、子供の体力低下、バランス感覚の低下がいちじるしくなりました。
…
今から30年前にSQAなんて私は聞いた事がありませんでしたから。
試合でなんでできないんだ。どうして走らないんだ。どうして抜かれるんだ。
よく、なんで、どうして と言う言葉を指導者や親から聞きます。
基礎ができていないのにできるわけがありません。
身体の動かし方が分からないのにできるわけがありません。
注意して下さい。「なんで」「どうして」は指導者&親の目線での話です。
「なんで」「どうして」を「こうしたらどう」と言う問いかけに変えて下さい。
子供の成長は親の一言でかわります。
だからこそSQAトレーニングは現代では重要なんです。
(1) 神経系の活性化
(2) 身体の正しい使い方
(1) 神経系の活性化は速い動きを指し、抵抗や補助、視覚、聴覚を通じた刺激トレーニング中に与える事。簡単に言えば神経を活性化させる事で、より高速の動作を獲得する事が狙いです。
(2) 身体の正しい使い方は、近年ではバイオメカニクスという分野で確立されています。身体を最も効率よく動かす為の力学要素です。簡単に言えば、いかに効率よく身体を使うかという事です。
SQAトレーニングはすべての競技の基礎となる動きを対象にしています。
(2)は2つの目的に分けられます。
① 動きの評価:選手の動きはちょっとしたことで崩れます。それを崩さないようにする為には日々のトレーンイングです。
② 正しい身体の動き:身体の動きは全て身体のコア(重心移動)にて動きます。重心移動をうまくとるのには体感が重要にもなります。身体の姿勢、手&足の動かし方、正しいフォームがとれるかが大切です。
(1)が上手くできなかったら(2)に戻ります。(2)ができるようになったら(1)で実践します。(1)はトータルの動き。(2)は基礎みたいなことです。
例えば陸上競技の短距離走で重心移動がおかしいと感じたら、ラテラル(横方向)系のドリルをやってみる。重心が上手く取れない事が明確に分かる事が多いです。そこで修正。スピードを高めるトレーニングに移れば効果は大きくなります。
1日5分でも10分でもできるのがSQAトレーニングの利点です。こまめに実践してみて下さい。